併願とは【東京都私立高校受験】併願優遇,加点優遇など_2024

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塾で進路面談をしていて併願制度についての理解が不十分な保護者がけっこういます。

また、誤った情報をご家庭にお話しする中学校の先生も散見されます。

今回は東京都の私立併願制度についてお話をしたいと思います。

もしも併願について不明な点がある方はこの記事を読めば理解が深まるはずです。

東京都(都内生)の併願について説明します

【この記事を書いた人】
・塾業界歴25年/卒業生2,500名
・都立自校作成校へは100名以上合格
・適性検査型入試~大学受験まで指導
・教育系メディアの運営(年間150万PV)
・当サイトの構築、管理、記事執筆

目次

まずは用語の確認-併願は2種類ある

併願制度を理解する上で最低限の用語の理解が必要です。

ここでは簡単に用語について触れます。

併願優遇
→内申基準を満たせば合格がほぼ約束されている併願。

加点優遇
→内申基準を満たしている受験生に対して入試得点に定める点数を加算。多くは20~30点加算される。加算されても合格最低点に届かなければ不合格となる。これも併願のひとつ。

併願は複数校取れる

次に併願は複数校取ることが制度上可能であることをご理解ください。

「えっ、併願って1校だけじゃないの?」

と思われているご家庭はけっこう多い印象です。

ですが、各私立高校の募集要項を守った上であれば併願を複数取ることが可能です。

ただし、複数校併願を取れるといっても

「偏差値60以上ある受験生は併願を複数取ることもある」

のですが、

「偏差値的に中堅~下位の受験生は併願は1校だけ」

というパターンになりやすいです。

ここで併願を複数受験する具体例を挙げてみます。

【併願を複数校取る例】
  • 2/10早稲田実業:フリー
  • 2/11帝京大学:加点優遇(入試得点に+30)
  • 2/12拓大一:併願優遇

上記の例、特に2/11と2/12で示した「加点優遇+併願優遇」という組み合わせはオーソドックスでよく目にするパターンです。

ここでは2/12の併願優遇校が滑り止めになり、私立の中での志望順位は①早実②帝京大③拓一という順番になります。

組み合わせ次第で併願は複数取れる

大原則-併願優遇は落ちない

一般的に「併願優遇」と言えば、「基準を満たしていればほぼ合格が約束されている併願」のことを指します。

「合格確約」という言葉が使えないので”ほぼ合格”とここでは使っています。

ごくごくまれに私学の先生から「併願優遇でも不合格にした受験生」の話を聞きますが、併願優遇にも関わらず不合格になった例外的ケースはおおむね以下です。

併願優遇でも不合格になるケース
  • 試験監督者の指示に従わない
  • カンニングor不正行為が疑われる
  • 無気力受験=解答用紙の白紙提出
  • 無断欠席=受験辞退と受け取られる(学校側は”都立の推薦が受かったのかな””他の私立に行くのかな”と判断)
  • その他、人物面等で著しく学校と合わないと判断された場合

なので、一生懸命テストを受ければ(たとえどんなに点が取れなくとも)不合格になることはない、ということです。

まれに「”検定加点で基準を満たした=正規の基準を満たしていない”ので不合格になることもあるのでは?」というご質問を受けますが、これもありません。検定や皆勤、部活3年間…学校により色んな加点項目がありますが、とにかく加点して基準を満たせば合格はほぼ保証されています。

ただし注意点をひとつ。

「”基準を満たした者は優遇する”と言ってはいるが、その実、”中身は入試得点加算方式”の学校」が一部に存在します。

「優遇・加点・加算」といった呼称は高校によりバラバラです。入試要項でその中身をかならずご自身でよく確認しましょう。

併願優遇は合格前提の入試

基本的には併願優遇は1校しか取れないが…

いわゆる「併願優遇」は基本的に1校しか取ることができません。

前述のように「併願優遇」はほぼ合格します。不合格はないと思っていただいて大丈夫です。

そんな併願優遇は1校しか取れません。基本的には。

それはなぜかをこの後で解説します。

ある受験生が自身の内申で併願が取れる「私立T大付属高校」と「私立K高校」を志望したとします。そして両校とも併願は「併願優遇校」だったとします。

どちらの学校も検討しているとは言え、「T大付属」と「K高校」の中で必ず志望順位の上と下があるはずです。

「T大付属」のほうが志望順位が上であれば、「K高校」を受ける必要はなくなります。なぜなら併願優遇でT大付属は合格です。それが分かっている以上、志望順位が上であるT大付属のみ出願すればいいということになります。

逆に「K高校」のほうが志望順位が上であっても同じことが言えます。「K高校」も併願優遇校なので合格前提=T大付属を受ける意味がなくなります。

よって、併願優遇校の複数受験は基本的に担任からストップが入ります。

「T大付属とK高校どちらにするか2月まで考えたい」と思うご家庭もあるかと思います。

が、どちらにするかは12月の3者面談、粘っても中学・高校間の入試相談までには決めなければなりません。

併願優遇は基本的に1校しか受験しないのですが、たまにある例外?を挙げておきます。

【併願優遇を2つ取る例】
  • 2/10八王子学園八王子
    併願優遇:特進で出願だが特選合格狙い
  • 2/12拓大一
    併願優遇

これは八王子学園の入試システムが「特選コース希望者は特進クラスでの入試相談が出願資格」となっているからです。

  • 八王子-特選で〇→八王子へ
  • 八王子-特進で〇(特選は×)→拓一へ

上記のように八王子の特選が拓一よりも志望順位が上であれば上記のパターンは認めてもらえるでしょう。

基本的に併願優遇は1校のみ

併願優遇のルールは守るべき

制度上の抜け道がありそうだがダメだという内容を少し。

都立一般入試が不合格

何らかの理由で合格をもらっていた併願優遇校には行きたくなくなった

都立の2次募集・分割後期を受けよう!

このケースが起きて家庭・中学・私立高校で揉めたという話をたまに聞くが、これはダメと思います。

近所の都内公立中が今年(2023年)配布した入試ガイダンス資料に以下の文言がありました。

□留意事項□

 第一志望の高校が不合格だった場合、私立の併願校の入学を辞退することはできません。また、他の
学校を二次募集で受けることもできません。よって、併願優遇制度を利用するかどうかしっかり考慮し
てください。
 私立の併願校は「第二志望」であること。「こんな学校に行くつもりではなかった」ということにな
らないように慎重に選びましょう。「第一志望の高校が不合格だった場合、この高校に行って頑張ろう」と思える学校を併願校にすること。

都内公立中学配布文書より

これはこれで色々と実際と違っているとは思いますが、中学校側は

「併願優遇校で合格の私立へは行かず、都立の2次募集を受けるのはダメ」

という認識ではあるように思います。

少なくとも「第2志望という条件がある併願優遇校を蹴って都立2次募集を受験」というのはやってはいけないことは確かかと。

最後に

以上で都内私立高校の併願制度についての説明は終わりです。

これを読んでなおもご不明な点があればコメントを残していただければ出来る範囲でお答えします。

なおご質問は可能な限り具体的にお願いします。

「〇〇高校と××高校、両方併願で受けることは可能ですか?」くらい具体的だと助かります。

各高校の公式HPにある要項から分かる範囲になりますが、より正確に答えられると思います。

まとめ
  • 併願は複数校取ることが可能
  • 併願優遇は普通に受験すれば不合格になることはない
  • 多くの受験生は併願優遇は1校のみ取る
  • 併願優遇を取っていて、都立不合格の場合はその私立に行かなければならない
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この記事を書いた人

□当サイト運営
□塾関係者/業界歴25年/卒業生2,500人
□他にも教育系サイトを運営/年間150万PV
□オリジナル教材の作成、配布、販売

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